双極性障害 虎の巻

双極性障害を患った人間が綴る、双極性障害完治への過程や双極性障害とは何かを綴る闘病記

就労移行支援事業所って何をしてくれるの?何ができるの?体験に行ってみた。

最近の就職活動の延長で、とある場所に見学に行ってみました。

それはどこかといいますと、『就労移行支援事業所』です!

 

なぜこの場所に見学に行こうと思ったかと言いますと、

自力での就活に限界を感じていたところ、障害者の就職についてあれこれ調べているうちに、リワークプログラムの一環?延長?として、この事業所の名前が出てきたんですね。

どうやら再就職のための諸々を手伝ってくれる場所のようだ、ということが分かったので、家の近くの事業所を探して見学に行くことにしました。

 

 

まずは、見学の予約を取ろうと思って、最初に就労移行支援事業所の名前を見たサイトを思い出そうとしたのですが、思い出せず…

でも、事業所の名前は憶えていたので、直接その事業所のサイトを見に行って、見学の申し込みをしました。

私が見学に行ったのは『ウェルビー』という事業所。

申し込んだのが午前中で、その日のお昼頃にはすぐに電話がかかってきました。早っ!

その電話で、見学の日時を決めて、後日見学に行くことになりました。

 

もう一つ、その近くに別の会社が運営する就労移行支援事業所があったのですが、そこは見学申し込みをしたものの返事が来ず(^^;なので諦めました。

 

 

見学日、特に持ち物はなく、約束の時間に事業所(センター)にいきました。

玄関を入ると、すぐ目に入ってきたのが、何人もの人が机に向かい合って作業をしている姿。こんなに人がいるのか!とまずビックリ。

別室に通されて、まずはアンケートを渡されたのでそれを記入します。お茶も出してくれました(^^)

アンケートの記入が終わったころ、それを基にさらに細かく現状について聞かれます。

体調面はどうか?通っているクリニックの名前は?どういったことが苦手か?いつから発症したか?などなど。

 

それらの聞き込みが終わってから、センターの利用説明に入ります。

まずは見学 → 体験を申し込む(計3日)→ 利用したいと思えば居住する自治体に利用申請を行う → 申請が通れば利用を開始することが出来る(最長2年間、場合によっては3年)

という流れとのことです。

 

そして、具体的にどんなことを毎日やっているのか?ですが、

・タイピング練習をしてWordやExcelに慣れたり、ビジネス文書を打てるように練習したり

・軽作業トレーニングでは、ゼムクリップを色別に分ける速さを測定したりプラグタップの分解や組み立てをしたり

・グループディスカッションでは、テーマに沿ってみんなで意見を出し合ってそれを進行係や議事録をつける係など分担してまとめたり

・ビジネスマナー研修では電話応対やメモの取り方、敬語の使い方、身だしなみや名刺交換の仕方などを学んだり

・企業実践では、実際の会社に見立ててスタッフからの指示を総務部、営業部、企画部、広報部、などのグループごとに遂行する

といったことをやるそうです。

 

私が行ったセンターのカリキュラムはこんな感じでした。

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就労移行支援事業所のカリキュラム表

こうやって書くと、意外と基本的なところからやるんだな、という印象でした。

もっと、就労支援センターというからには就職に特化して支援してくれるのかと思ったのですが、日々行うのは上記のような意外と地味な作業ばかり。

そもそもの目的が『障害者の就労支援』ですから、いろんな障害を持つ人が来ています。精神障害だけではなく、知的障害や聴覚障害の方などもいます。

そういう色んな障害を持つ方に合わせてカリキュラムを組むと、どうしてもベースが下がります。

 

また、見学に行ってから分かったのですが、ここは就職のあっせんをしてくれるところでは無いということです。

そういうのはハローワークに行ってください、ということなんですね。

 

じゃあ、ここは就労支援って何をしてくれるの?というと、

応募書類の添削や模擬面接をしてくれたり、面接に同行してくれたり、会社と話し合って体験実習をさせてもらえるように交渉してくれたり、その実習に同行してくれたり、就職した後も、定期的に会社に訪問してその後の定着を支援してくれたり。

そういったこともしてくれます。

総合的に見て、「障害者の就職のための準備から就職後までをサポートしますよ」という場所なんですね。

障害者の就職ということを考えれば、相当手厚いサポートをしてくれる場所なんだな、という印象でした。

 

 

ただし、原則として、最低3カ月間は毎日通うことが求められます(^^;

それをやって初めて就職に繋がります。

なぜかというと、障害者を雇う企業側も、障害者を雇い入れるということには慎重になります。体調が安定していないと、すぐに休まれては仕事になりません。ですので、体調が安定していることを示すためにも毎日センターに通い続けて、「この人は体調も安定していて就職に不安はありませんよ」という実績を作る必要があります。

実績を持って初めて安定した就職に繋がる、という考えのようで、この3か月という期間が短くなることは無いようでした。

 

 

これを長いと感じるか、妥当と思うかは人それぞれですが、私は正直「長い!」と思ってしまいました(-_-;

3カ月基礎的なトレーニングをやるのか、と思うと正直飽きる…退屈…大学生の就職活動を思い出す…という感想です。

でもこれが就職に繋がるなら我慢して通うべきか・・・と悩みどころではあります。

 

この就労支援センターに行ってみたことを主治医にも報告したのですが、

「色んな人が来てるからベースが下がっちゃうんだよねー。そういうところだと退屈だと感じるかもね。そういう場所に通うことよりも、自分に合った職場や環境さえ見つけられればいいような気がするけどね。」と言われました。

そう言われるとその通りのような気がします。

 

でも、せっかく体験を申し込んだので、計3日間の体験に行ってみることにしました。

 

 

グループディスカッションはこのご時世なので、寄せ集まって討議するわけにいかないので、テーマに沿って自分で考えたことを発表する、という形が取られていました。

順番に発表して、ほかの人の発表を聞いて更に考えたことを話す、みたいな感じでした。

 

その日は見学だけしたので、「あぁ、こんな感じかー。やっぱり大学生か高校生の授業みたい」という感想でした(^^;

 

 2日目は、企業実践の日でしたが、その日は3か月を1クールとしたその1クール目が終了して新しいメンバーで1クールが始まる日でしたので、それぞれの部署でどんなことをするのか?の説明で大部分が終わってしまい、かつ私は体験生なのでその輪には加わらずウェルビーの説明を職員さんから聞くだけの時間になってました。

 

3日目は、朝から終了時刻まで1日体験することになりました。

朝はラジオ体操から始まり、タイピング練習をしました。その後、仕分け・帳票整理といって、各部署宛てに郵便物が届いた想定でカードに書かれた部署ごとに仕分けをする速さと正確さを計測し、続けて同じカードで市区町村ごとに仕分けて、かつ注文番号降順に並べ替える作業をしました。

これが地味に疲れる(^^; 立ちっぱなしで作業しなきゃいけなくて、細かい文字を見るしわざと紛らわしい文字列にしてあるし、トータル50分かかったのでその間の集中力が試される作業でした。

午後は、就活プログラムで、履歴書の書き方の説明を聞きました。そして、個別課題の時間は、私は電卓計算をやりました。こちらもレベル別に難易度が違う問題が用意されているのですが、私は初めてということで真ん中のレベルの課題をやってみました。

こちらもトータル50分の課題で、3桁から4桁の数字の足し算をして合計を出す作業なのですが、これも50分もやれば疲れます(^^; しかもタイム計測しているので休めない。。普通の仕事なら、そんなずっと集中しっぱなしで作業することなんてないじゃないですか。疲れたら休むし、自分のペースでやるし。だからここのプログラムのほうが過酷だなって感じました。もちろん私が初めてだからっていうのもあったとは思いますが。

そして最後に、この3日間の感想を聞かれて終わりました。

 

3日間体験してみて、まぁ悪くない施設だったと思います。

障害者の就労をサポートしてくれるというコンセプトに合っているし、用意されたプログラムも、もっと簡単かと思ったけどそれぞれのレベルに合わせたものがちゃんとあるし、これなら悪くないなと思いました。

しかし、ネックはやはり3か月という最低通所期間。そして、タイピングや仕分けや電卓計算なども、初めてだから楽しめましたが3カ月もやってたら絶対飽きます。

その辺をどう考えるかですね。

 

また、障害者手帳を持っている方はあまり問題ないんですが、私のようなまだ持っていない人間は、主治医の診断書の提出など手続きがややこしくなります。

この前主治医にも、あなたには必要ないかもね~と言われているので、それを覆すほどの興味が私の中にも沸いていないのも事実。

 

 

そんなこんなで、行ってはみたもののどうしようかな~、と考えているのが現状です。

ハローワークに行って障害者担当の窓口の方とも話したら、「就労移行支援事業所って、事業所さんごとに内容がかなり違うんですよ。他の事業所も見に行ってみるといいですよ。」と言われて、更に就労移行支援事業所ではなく、本当に”就活のサポートに特化した事業所”を紹介されました。

そんなところあったのか!という衝撃と、私が欲してたのはこれ!感と、もっと早くハローワークにも相談すればよかった・・・と思いました(^^;

そんなこんなで、新しい選択肢も増えましたので、また一から考え直しとなりました。

 

 

今回のことを総括すると、

・就労移行支援事業所は、個々人のレベルに合わせたプログラムを用意してくれて、足りないところを底上げしてくれるところ。

・集団生活を体験でき、自分の強み・弱みを発見できる場所。

・就労に際しては手厚いサポートをしてくれるところ。

ということが分かりました。

 

自分の中で、まだ就労に際して不安があるとか、この部分が足りないから補いたい、などの目的があれば通ってみるのもいいと思います。

障害者の就労という意味では一つの選択肢になり得るのではないでしょうか。

 

というわけで、今回は、就業支援事業所体験記でした!