双極性障害 虎の巻

双極性障害を患った人間が綴る、双極性障害完治への過程や双極性障害とは何かを綴る闘病記

回復期の症状(前期)

回復期に起きていた症状について綴っていこうと思います。

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回復期を図で表すとこのようになります。

急性期との違いが分かるでしょうか?

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急性期はひたすら鬱状態でしたが、回復期になると調子のいい時は正常範囲に入ってきます。

波の底辺も急性期の頃より上がっていますので、症状名が同じでも、症状の出方が弱かったり、緩やかになるようになってきます。

 

 

回復期に出ていた症状を書いていきます。

 

鬱状態

  • 頭痛
  • 胃痛
  • 朝起きられない
  • 頭が働かない
  • 判断力が鈍る
  • 一度にたくさんの情報量があるとパニックになってしまう
  • 不安になって泣く

 

躁状態

  • 遠出をする
  • 家事を3つ以上したがる
  • 薬は飲まなくてもいいんじゃないかと思う

 

 

一つずつ見ていきます。

 

・頭痛

これは回復期の特に前期におきていました。会社に退職の申し出をして以降、体調が一気に悪くなって、それまで安定していた体調が2か月前に逆戻りしました。

その際に頭痛も復活しました。

会社に退職を言いに行った際に、滞在時間はものの30分強だったと思いますが、その間にどんどん体調が悪化して、頭痛も出てきて、家に帰り着くころには酷い頭痛で、そのまま布団にバタンキューでした。

 

・胃痛

これは、会社に退職を申し出て以降翌日から、胃痛が復活しました。

会社に行ったことが相当のストレスだったようで、翌日以降ご飯が食べられなくなり、せっかく急性期を乗り越えて体重も戻ってきたところだったのに、また痩せていってしまいました。

この胃痛で食べられない状態はそれ以後3週間程度は続きました。

 

・朝起きられない

これも、会社に行った翌日から復活しました。

胃痛とダブルで来たので、また気が滅入りました。

 

・頭が働かない

・判断力が鈍る

 これは、一時的に強いうつ状態に陥ると、頭が働かない状態が出ていたように思います。

翌日の準備するのに、まず今先に何を準備するべきか、お風呂に入るべきか、その前に服を準備するべきか、手順がわからなくなってしまうのです。

この状態は、急性期だけのものかと思っていましたが、回復期に入っても出てきた症状でした。

回復期の後半では出なくなっていたので、やはりまだ頭が働かない状態というのは、治療の前半期間に起きていたことのようです。

 

・一度にたくさんの情報量があるとパニックになってしまう

 これは、上記とも関係してくるのですが、回復期の前半に、試しに仕事をしてみようと思ったことがあります。

知り合いに頼まれて、簡単な仕事だというので、こちらの事情も話したうえで引き受けたのですが、その際に、仕事の手順を話されて、その情報量の多さに圧倒されてしまい、パニックになって泣いてしまったことがあります。

 

それまでの私を知っている分、これくらいならできるだろうと相手も思って仕事を頼んだんでしょうが、とてもじゃないけれど以前の私との比較はできないほどに、私の能力(脳力)が落ち込んでいました。

そのことに自分自身もショックを受けて、

「引き受けるんじゃなかった、とてもじゃないけど務まらない、今すぐに辞めさせてもらおう、このままじゃ迷惑をかけるだけだ」と思ったのを覚えています。

 

結局、その際は、泣くだけ泣いて、1時間くらい経って気分が落ち着いてから、もう一度情報を一から整理して、できることからやることで、落ち着きを取り戻しました。

 

なので、一度にたくさんの情報量を与えるとパニックにはなりますが、それで何もできない状態になるわけではなくて、ごくごく簡単なことならばできる、ということもわかりました。

 

 

・不安になって泣く

 上記とも関連しますが、不安になった際におもわず泣いてしまうことは多々ありました。

これは急性期もそうでしたが、些細なことで落ち込んだり、悲しんだり、感傷的になりやすし時期なんだろうと思います。

 

仕事を引き受けたことで、最初こそやる気に満ちていたのですが(今振り返れば、一時的に躁だったのかもしれません)、次第に元気をなくして自信もなくなり、「引き受けるんじゃなかった、私には務まらない、まだ早すぎた」と思って涙が出てきました。

躁の反動で鬱になったとも考えられますが、うつ状態になるととにかく悲観的になり、自分はダメだという思考に憑りつかれて、次第に泣けてくる、というのがいつものパターンでした。

 

 

 

 回復期に入ると躁状態も出てきます。

急性期のように、ひたすらうつ状態ではなくなるため、波の高いところは正常範囲に入ってきます。つまり、本人的には調子がいい状態が出てくるわけです。

しかし、これはその時点での躁状態です。

底辺はうつ状態にかかっている以上、いくら正常範囲であっても躁状態には変わりありません。これを見逃してしまうので、そのあとのうつ状態への備えがみんなできないのです。

 

躁状態の症状を見ていきましょう。

・遠出をする

これは気づかずによくやってました。調子がいいので、気分転換にと思って遠くまで出かけて遊んで帰ってきたりしていました。

確かに気分転換にはなっていたと思いますが、今考えれば正常範囲での躁状態でした。なので逸脱しすぎる躁じゃない分気づけずに、その後反動で鬱がきました。

 

・家事を3つ以上したがる

私はいつも、洗濯をすることと掃除をすることを日課にしています。

しかし、それ以上に家事をやりたがる日があって、そういう時は大体躁でした。

2つ以上の家事、例えば床拭きをしたり、机の上をきれいにしたり、サッシの溝をきれいにしたり、などをし始めると、よく家族に「そんなにやらなくていいよ。明日倒れちゃうよ。」と言われ注意されていました。

実際に倒れるまではいきませんが、翌日は少し疲れが出て寝ている時間が長かったりしました。

 

・薬は飲まなくてもいいんじゃないかと思う

これは一番危ない思考です。ですが、本人は調子がいい分、このまま治ってしまうんじゃないか?くらいに思っています。本気でその時はそう思っています。

あくまで、その時調子が安定している(と本人が思っている)だけで、実際はただのその時点での躁状態です。

しかし、この調子がいつまでも続くように思えてくるし、実際毎日調子がいいとなってくると、本人はどうしても「薬は必要ないところまで来ているんじゃないか?」と考えてしまいがちです。

ですが、そのようなことを本人が言ってきたら、絶対に止めてください。

薬は絶対に止めちゃダメです。

薬を飲んでいるから、調子のよさも維持できているのであって、薬を止めたらその調子のよさは一瞬でなかったことになります。

 

私は幸い、薬を止めたことはないのですが、薬を飲まなくてもいいんじゃないか?と一瞬でも考えた自分が恐ろしくなりました。

そう考えたことによって、自分が躁状態にあることを自覚した、とも言えます。

 

 

躁状態は、本人には調子のいい状態でも、かならず、躁を見極めるサインは出ています。

私の場合は、この3つでしたが、それ以外にも個人個人で何かしらのサインはあると思います。

それを如何に見極められるかが、躁状態をコントロールするカギになってくるので、家族や周囲の人がそのサインを見つけてくれたら、その人の意見に従いましょう。

 

といっても、本人には、今躁状態にある、と言っても「え、うそでしょ?そんなわけない、だって調子いいもん」としか思いません。

これはどう頑張っても、そうとしか思えないんです。

なので、躁状態はやっかいなのです。

 

ですが、周囲の人が根気よく説明する、説得してくれたら、本人も渋々かもしれませんが、了承してくれるかと思います。

まずは、約束させることが大事です。

 

例えば、

・家事を3つ以上しないと約束させる。

・遠出をしないと約束させる。

・薬は必ず飲むと約束させる。もしくは薬の管理を家族がする。

 

このように、躁状態を見抜いたら、家族が助けてあげましょう。

というか、本人は気づかないので周囲がコントロールするしか方法がないのです。

しかし、放っておくと悪化するのは目に見えています。

とにかく躁が目に付いたら放っておかない、すぐにでも介入するというのを覚えておいてください。

 

 

今回は、回復期の特に前半に出ていた症状を振り返ってきました。

次回も、この続きを綴っていこうと思います。