さて、双極性障害と診断されたらすぐやったほうがいいことシリーズ第3弾です。
今回は『日記をつける』です。
これもやったほうがいい明確な理由があります。
まず、前回の睡眠覚醒リズム表をつけるもそうでしたが、双極性障害と診断されたからには、自分の実態を把握する必要があります。
これを書くことによって把握したいのは、
「自分が何によって影響を受けていて、何があると体調を崩すのか」
これです。
双極性障害患者さんは、概日リズムの変化に弱いという事実もありますが、ほかにも対人関係のストレスも結構影響します。
また、気圧の変化や、天気、気温、睡眠、食事、運動などの生活習慣も影響しますし、
女性でしたら月経によるホルモンバランスの変化も影響します。
それらの、自分は何に弱くて、何にはあまり影響を受けずに済むのかを探るために、日記をつけるのです。
具体的には、まず、記録する項目を決めます。
私の場合は、
- 天気
- 気温
- 暑い寒い(体感として)
- 気分
- 運動
- 食欲
- 排便
- 頭痛
- 胃痛
- 不眠
- 倦怠感
- 不安感 etc…
といった感じにつけています。
必ず書いているのが、天気~排便までの項目で、それ以降は都度あれば記入する感じです。
これらを全部自分で考えて日記帳につけるのは大変なので、私はアプリを使って記録をつけています。
生理日予測アプリに同じような項目が並んでいるので、これがお勧めです。
アプリにその日のチェック項目として、気分や排便、頭痛、胃痛、倦怠感、不安感、イライラ、などの項目が用意されています。
私たちは、そこにチェックをいれるだけ。
これなら簡単ですよね。
生理日アプリは超便利です。
では、先ほどの項目を具体的に見ていきます。
まず、「天気」は、その日の天気を記録します。
晴れ、雨、夕立など、ざっとその日の天気を書きます。
これがなぜ必要なのかといえば、私の体感ですが、双極性障害は天気の影響を受けやすいです。
晴れなら調子がいいですし、雨なら気分がイマイチです。
天気というか、気圧の変化といってもいいかもしれません。
よく、低気圧が近づいてくると頭痛がする人や、節々が痛むという人がいますよね?
それに似た感じで、私たちにはそれが気分に影響を与えます。
誰だって、晴れてるほうが気分爽快だし、梅雨の時期は晴れが恋しくて気分もあがりませんよね?
冬も豪雪地帯の方なんかは、春が待ち遠しいと思います。
一般の方にもあるそういった気分の変化が、双極性障害患者はより極端だ、ということです。
といっても、毎回雨の時に調子が悪いかと言ったら、そうとは限らないわけです。
躁状態だったらどんな天気でもへっちゃらって可能性もあります。
なので、天気が気分に与える全体的な影響具合を確かめるために、記録をつけます。
そして、自分がどのくらい天気によって影響を受ける体質なのかを知る、ということです。
次に気温です。
これも、天気と似ているのですが、私の体感だと急激な気温の変化にも弱いです。
よく、本格的な夏の前に急に暑い日が来ると、天気予報などで「暑さに体が慣れていないので、熱中症に注意してください」と言いますよね?
まさに、そんな感じです。
私は特に暑さに弱いです。だんだんと体が慣れてきていたとしても、暑い日は特に気分は悪くなくても、体がついていきません。
これも、健常者でもよくある話が、双極性障害だとより顕著に出る、という感じです。
個人差はあると思いますが、私にとっては大事な項目なので、書いています。
次に、暑い寒い(体感として)ですが、これは、気温の記録をつけても、本人は、その気温でも寒く感じたり暑く感じたりということがありますよね?
人によって同じ気温でも体感温度は違います。
私は、暑さに弱く、でも冷え性なので、ほかの人が暑いという場所でも涼しいまたはちょうどいいと感じることもあります。
大切なのは本人がどう感じるかです。
なので、客観的な指標の気温も記録しつつ、主観的な「体感温度」も書いておくわけです。
そうすることでより、自分が快適に過ごせる「設定温度」のようなものが見えてきます。
そして、一番大事な気分です。
その日がいい気分なのか調子が悪いのか、落ち込んでいるのか、気分爽快なのか、イライラするのか、などを記録していきます。
また、何かきっかけになる出来事があればそれも書きます(家族と喧嘩してイライラした、友達と遊びに行ってとても楽しかった、同僚の一言で落ち込んだ、など)。
何も要因がなくただ朝から調子が悪い、なんとなくイライラする、という日もあります。それもそのまま記録するわけです。
なんでも背後にはっきりとした原因があるとは限りません。
ただ朝から調子が悪い、それは天気のせいかも知れないし、はたまた今日その日に理由はなくて、実は数日前から気づかないうちに下降気味だったのかもしれない。
そういったことも、日記をつけていなければそもそも見えてきません。
自分の気分をモニタリングして、その日の調子はどうか?数日前はどうだったか?鬱傾向なのか?躁傾向にあるのか?など確かめつつ、次の診察ではそれまでの経過を報告できるようにしておきます。
これも大事なのが、運動です。
双極性障害のうつ状態では、寝たきりで運動なんて無理、って感じでしょうが、何も辛い体に鞭打ってでもやれ!とは言いません。
むしろ、調子のいい時にやってください。
運動する理由は、鬱状態の時に寝てばかりで運動不足になる、というのもそうですが、一番は、運動することで気分がよくなります。
運動すると、セロトニンが分泌されますので、それ自体が気分を良くする効果があります。
なので、積極的に運動して、気分を上げていきたいところです。
また、運動すると、その間は運動することに集中できるので、余計なことを考えずに済みます。
うつ状態に近い時は、あれこれ考えては落ち込み、を繰り返しがちです。
そんな時でも、運動することで、体を動かす動作だけに集中できますし、運動している間にもどんどんセロトニンが出てくるので、だんだん落ち込んでいた気分そのものも上がってきます。
小一時間運動するだけでも、その間にどんどん気分がよくなるので、最後には気分がいい状態まで持っていけることでしょう。
これを、週に1回からでもいいので始めてみるといいと思います。
習慣づいてきたら、毎日何かしらの運動をしている、というのが理想です。
何もハードな運動をやる必要はありません。本人にとって心地いい運動ならば何でもいいと思います。
光療法をしながら、ということまで考えられるならば、外でできる運動が理想的ではあります。でも私は、思い立ったらすぐできるという理由で、筋トレが一番好きです(笑)
これも、記録をつけて、今日は何の運動をしたかな?今週どのくらい運動できたかな?と振り返れるといいと思います。
そして、食欲です。
これは、双極性障害の症状によく出るのが、食欲不振または過食です。
よくストレスで食べられなくなる人、またはストレスから食べてします人っていますよね?
これは、その人がどのタイプかによるので、どちらがいいという話ではないです。
あくまで自分のタイプを知って、自分にどっちの症状が出ている時はストレスがかかっているときか?を探る必要があります。
私は、毎回胃痛が起きて食べられなくなる派なので、食欲が落ちているときはかなり敏感に監視しています。
この食欲のモニタリングも、体調を知るうえで大事な項目です。
そして、排便です。これも舐めたらいけません。
自分の健康状態のモニタリングとしてかなり大事です。
実は薬の副作用で、便秘になったり、はたまた下痢になったり、ということが起こります。
薬を変えたり、増やしたり、別の薬を追加したりした場合に起こりやすいので、
それらが副作用によるものなのか、それとも別の要因でたまたま起きていることなのか?を知る上でも、この日常的な動作ともいえる排便の記録は大事なのです。
ですので、忘れずに記録をつけてください。
以上が、毎日記録したいことのリストです。
そして、ここからはオプションです。
- 頭痛
- 胃痛
- 不眠
- 倦怠感
- 不安感 etc…
これらは、毎日記録するとは限りませんが、起きた場合には忘れずに記録したい項目です。
どれも、どちらかというと鬱状態に近いと出やすい項目ですが、それらがあるときは注意したいですよね。
これらの項目は、生理(月経)に影響されやすい女性だと、PMS(月経前症候群)などがあるように、体調不良として出やすい項目です。
なので、双極性障害の症状ともリンクする部分ですので、先ほどのアプリだと、すでに同様の項目が用意されているので、チェックを入れるだけで済むので便利なんです。
携帯にダウンロードしておけば、診察の時に聞かれてもすぐにその場で記録が見られて便利ですよね。
日記って、つけるハードルそのものが高いじゃないですか?
面倒くさいし、書くの忘れちゃったりするともういっか、みたいな。
でも、書いたほうがいいのは分かってる、できればちゃんと続けたい、ですよね。
日記というと、皆さん手帳やノートを思い浮かべるかもしれませんが、必ずしもそういうものに書かなければいけないわけじゃありません。
今は便利なアプリが色々ありますので、それらを使いこなして、毎日の負担を減らしたいですね。
私は、毎日アプリでチェックを入れるのが主なので、かなりストレスフリーで続けられています。
女性にはこの方法、かなりお薦めです。
男性も、誰に見せるわけじゃないんだから同じアプリ使ってみるといいと思いますよ
。かなり楽です。日記をつける面倒くささが激減します。
さて、今回は、日記をつけるのがなぜ大事なのか、そして何を書くべきかをお伝えしました。
双極性障害と診断されたら・・・シリーズ、まだ続きます。